心不全療養指導士と小児薬物療法認定薬剤師に直撃インタビュー!
■心不全療養指導士とは?
「心不全療養指導士」は、増え続ける心不全患者さまの増悪・再入院を防ぎ、その人らしい生活を守るために設立された認定資格です。この資格の最大の特徴は、看護師・薬剤師・理学療法士・管理栄養士など、職種の垣根を超えた「チーム医療」を前提としていること。薬の知識だけでなく、病態の理解、生活指導、緩和ケア、そして意思決定支援など、幅広い知識を持って患者さまの生活全体を包括的にサポートし、多職種と連携してチーム医療を推進する役割を担います。
心不全を発症させない、悪化させない。患者さまの「その人らしい人生」を守るために。
稲田 有里 2022年入社 帝京大学卒
<資格取得までの道のり>
1年目 地域の中核病院門前薬局へ配属
3年目 循環器専門クリニック門前薬局へ異動、資格取得を決意
同年 心不全療養指導士を取得
Q1. 資格を取得しようと思ったきっかけを教えてください。
2年目になり、日々の業務にも慣れてきた頃、「今後自分はどうなりたいか」を考える時間が増えました。将来的に何か専門性を持つスペシャリストになりたいとは思っていましたが、知識の偏りを防ぐためにも、まずはジェネラリストとして幅広い知識の土台を作ることが必要だと考えました。
そんな時、当時のフィールドマネジャーに相談して知ったのが「心不全療養指導士」です。 心不全は突然発症するものではなく、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が進行した先にあります。つまり、心不全を学ぶことは、その背景にある多くの疾患知識を網羅することにつながるのです。 また、高齢化に伴い心不全患者数の増加が予想される中、ナショナル社員として今後どの店舗に配属されても、多くの患者さまに還元できる知識だと思ったことも大きな理由です。 診療報酬改定でも心不全への関与が求められるなど、社会的ニーズの高まりも後押しとなり、ジェネラリストとしてのひとつの目標として取得を決意しました。
Q2. 資格取得に向けて、最も苦労したのはどのような点でしたか?
一番苦労したのは、試験に必要な5症例の報告書作成です。限られた来局の中で、薬剤師として関わることができる患者さまについて的確に情報を集める必要がありました。最初は検査値(LVEFやNT-proBNPなど)の情報収集に課題がありましたが、試行錯誤を通じて、心不全手帳を活用した患者さまとのコミュニケーションや、地域の医療ネットワークの活用など、薬局現場でも実践可能な情報収集の方法を確立することができました。
また、フィールドマネジャーに社内の有資格者の先輩を紹介してもらい、チャットツールを使ってスピーディーに症例添削をしていただくこともできました。いただいたアドバイスを次の来局時の対応にすぐ活かす。そしてまた報告して添削してもらう。同じ社内に相談できる先輩がいて、このPDCAサイクルを回し続けられたおかげで、最終的には自信を持って関わることができ、質の高い症例報告を完成させることができました。
Q3. 振り返ってみて、どのようなことが資格取得につながったと感じていますか?
合格の秘訣は、目標から逆算して行動したことと、患者さまとの信頼関係を築けたことです。 継続的な服薬フォローアップを通じて、少しずつ距離を縮めていくと、やがて「薬剤師さん」ではなく「稲田さん」と名前で呼んでいただけるようになりました。そのような関係性になると、患者さまはさまざまな話をしてくださるようになり、そこから生活背景を知ることができ、関わることできるポイントがたくさん見つかるようになりました。
大切にしていたのは、患者さまのこれまでの歩みや価値観を否定しないこと。その上で、どうすればポジティブに治療に向き合えるかを常に考えて行動しました。 また、勉強時間を確保するためには、店舗全体の状況を把握し、スタッフとフォローし合うことも不可欠でした。チームの協力があったからこそ、患者さまと向き合う時間を十分に取ることができたと感じています。
Q4. 今後、心不全療養指導士としてどのような活躍をしたいですか?
心不全が悪化する原因の多くは、塩分の摂りすぎや服薬忘れといった生活習慣にあります。だからこそ、生活指導を含めた継続的なフォローができる薬局薬剤師は、病院での診察(点)と次の診察(点)をつなぐ「線」の役割を担うことができると考えています。 心不全を発症させない、悪化させないことで、患者さまがその人らしい人生を全うできるようサポートしていきたいです。
また、今後はこの役割を自分ひとりではなく、周りにも広げていきたいですね。循環器疾患に苦手意識を持つ薬剤師も少なくありませんが、「当たり前に生活を支えること」だと伝え、仲間の輪を広げていきたいです。実際に今、店舗の後輩が資格取得を目指しており、そのサポートもしています。 将来的には病院薬剤師や多職種とも連携し、地域全体でケアの質を高めていけるような存在を目指します。
Q5. 後輩に向けてメッセージをお願いします!
患者さまの「生活」に近い薬局薬剤師だからこそ、発揮できる力があります。
心不全療養指導士は、まだ発症していない段階(ステージA/B)での予防から、発症後の悪化予防(ステージC/D)まで、患者さまの人生に長く寄り添い貢献できる資格です。そしてこれは、患者さまの日々の「生活」に一番近い場所にいる薬局薬剤師だからこそ、より大きな力を発揮できる分野でもあります。
資格取得を目指す過程では、私自身が先輩に助けられたように、多くの新しい「人とのつながり」も生まれます。ひとりではありません。ぜひ、私たちと一緒に療養指導の輪を広げ、患者さまを支えるやりがいを感じてほしいなと思います。
■小児薬物療法認定薬剤師とは?
「小児薬物療法認定薬剤師」は、成人に比べて生理機能が未熟で個人差も大きい子どもたちに対し、安心・安全な薬物療法を提供するために創設された認定資格です。
この資格の大きな特徴は、対象が「患児(子ども)」だけでなく、薬を管理する「保護者」まで含まれること。医師や看護師らと連携し、専門的な立場から治療に参加することはもちろん、薬の飲み方や効果に不安を持つ保護者への指導・助言、そして学校での教育活動など、その役割は多岐にわたります。単に薬を渡すだけでなく、「子どもたちの健やかな成長と、家族の安心を支えるパートナー」として、地域医療の中でなくてはならない存在です。
地域の子どもたちの未来を、「薬」の力で支えたい。
鈴木 千尋 2018年入社 東北医科薬科大学
<資格取得までの道のり>
1年目 総合病院門前で小児患者さま対応や無菌調剤を経験
4年目 薬局長に着任、現店舗へ異動
5年目 学校薬剤師の活動を開始、資格勉強をスタート
6年目 小児薬物療法認定薬剤師を取得
Q1. 資格を取得しようと思ったきっかけを教えてください。
入社5年目を過ぎた頃、薬局長としての業務にも慣れ、実務経験年数もクリアしたことで「何か新しいことにチャレンジしたい」と考え始めました。 ちょうどそのタイミングで、地域の学校薬剤師としての活動もスタート。当時の上司から「小児薬物療法認定薬剤師に挑戦してみないか」と声をかけていただいたのがきっかけです。
実はそれまで、小児の調剤や服薬指導に対して難しいなと苦手意識を感じる場面がありました。専門知識を身につけることでその不安を解消したい、そして学んだ知識を学校薬剤師の業務にも活かしたいと思い、資格取得を目指すことにしました。
Q2. 資格取得に向けて、最も苦労したのはどのような点でしたか?
一番苦労したのは、学会に参加して興味を持ったプログラムについてまとめる「レポート作成」です。
学生時代以来、本格的なレポートを書く機会がなかったので、正直なところ書き方をすっかり忘れてしまっていました。このままではいけないと思い、レポートの書き方を解説している本を買って、構成の立て方など基本から勉強し直しました。
日々の業務とは使う頭が違うので大変でしたが、改めて学び直す良い機会になりました。
Q3. 振り返ってみて、どのようなことが資格取得につながったと感じていますか?
合格の秘訣は、「勉強する習慣づけ」と「継続する力」だと思います。
この資格の研修は、7月から翌年2月にかけて毎月5コマずつ動画を視聴しなくてはなりません。溜め込んで一気にやるのは無理だと分かっていたので、「毎週最低でも1時間は絶対に勉強する」と決めました。
具体的には、店舗の営業が午前のみである木曜日や土曜日の午後を勉強時間に設定。あらかじめスケジュールを立ててコツコツと継続したことが、無理なく最後まで走り切れた理由だと思います。
Q4. 今後、小児薬物療法認定薬剤師としてどのような活躍をしたいですか?
資格取得後、ターミナルケア(終末期医療)として自宅に戻る小児患者さまの在宅医療に関わる機会がありました。その際、訪問医の先生から「在宅医療を引き受けてくれてありがとうございます」と深く感謝されたことが強く印象に残っています。
近年、医療的ケアが必要な小児患者さまは増えています。そのような子どもたちが住み慣れた家で安心して医療を受けられるよう、私たち薬剤師が積極的に介入していく必要があると実感しました。
また、外来でも「薬の飲ませ方」について相談を受けることが多くあります。お子さま本人はもちろん、薬を与えるご家族の負担も少しでも減らせるよう、薬への苦手意識をなくす工夫や指導を続けていきたいです。
Q5. 後輩に向けてメッセージをお願いします!
今はまだ、特定の領域に興味がなくても大丈夫です。日々の業務でたくさんの患者さまと関わっていくうちに、「もっとこの人の役に立ちたい」「この分野を勉強してみたい」と思える資格がきっと出てくるはずです。
資格を取得することは、自分自身の大きな「自信」につながりますし、医師や患者さまからの「信頼」も確実に深まります。ぜひ、これからの勉強の目標のひとつとして、資格取得にチャレンジしてみてください!
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