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最近よく聞くオンライン服薬指導って実際どうなの?

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医薬運営統括本部 考える薬局プロジェクトチーム 加藤 晋也
北海道科学大学卒 2008年入社

■オンライン服薬指導ってどんなもの?

「オンライン服薬指導」とは、患者さまがスマートフォンなどのデバイスを活用して、ビデオ通話(音声+映像)で薬剤師の服薬指導を受けることです。
2020年9月から全国でオンライン服薬指導がスタートしていましたが、初回は対面でなければならないなどさまざまな要件があり、なかなか普及が進んでいませんでした。
そのため2022年4月に薬機法改正が行われ、初回からのオンライン服薬指導も可能になり、患者さまや薬局にとってさらに身近なものとなりました。

■どんな患者さまが多いの?

元々は比較的年齢の若い20~50代の患者さまに主にご利用いただけるのではないかと考えていましたが、ご高齢の患者さまにも多くご利用いただいています。中には新型コロナウイルス感染症が陽性となった患者さまからのご利用などもあり、今後ますますニーズが高まると感じています。ご高齢の患者さまにとっても使いやすいシステムになるよう、ICT技術の発展にあわせたさらなる進化が必要だと考えています。

■オンライン服薬指導のメリットとは?

代表的なメリットは以下の3点です。
①待ち時間の軽減
オンライン服薬指導を利用すれば、薬局まで足を運ぶ必要がありません。
仕事や育児、家族の介護の合間にご利用いただくことで、時間を確保しにくい患者さまや体調が悪い患者さまの負担を大きく軽減させることができます。

②プライバシーへの配慮
⾃宅など、希望の環境で周囲を気にせずゆっくり薬の説明を聞けることもオンライン服薬指導のメリットのひとつです。
薬局内でもプライバシーに配慮していますが、プライベートな環境なら一層安心していただけます。
家にいるご家族といっしょに説明を受けたり、⾃宅に残った薬の状況を確かめながら相談をしたりすることも可能です。

③感染リスクの軽減
新型コロナウイルス感染症の蔓延以降、外出による感染リスクに気を配る方は増えました。
オンライン服薬指導によって感染リスクを避けながら医療を受けられる点は、患者さまにとっても、医療現場においても、大きな安心感に繋がります。

■アインではどのくらい対応しているの?

オンライン診療が保険対象になった2018年4月から、服薬指導もオンラインで対応できるように整備をし、2018年にアイングループでは全国初となるオンライン服薬指導を愛知県でスタートさせました。
それ以降、ノウハウの構築や設備の強化を進めており、2020年4月に0410対応(※1)の通知が政府より出されたときには全国の店舗ですぐに対応することができました。
例えば、NEWoMan新宿店では2020年4月7日に初めての緊急事態宣言が発令されると、オンライン服薬指導に対するニーズは急増し、対応件数は格段に増加しました。
今では、ほぼ毎日複数の患者さまにオンライン服薬指導をしています。
月間では50件を超える月もあり、患者さまにとってもオンライン服薬指導はなくてはならないものになっています。

※1 厚生労働省が2020年4月10日に通達した「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」のこと

■オンライン服薬指導が終わった後、薬はどうなるの?

患者さまのご自宅へ配送することができます。
2019年7月には、旭川医大店が旭川医科大学病院と連携し、オンライン診療・オンライン服薬指導と連動したドローンによる配送実証実験プロジェクトが国内で初めて始動しました。
この取り組みでは、通院による新型コロナウイルス感染症の感染リスク軽減させる他、深刻化する過疎地での医療の提供、医療従事者不足などのさまざまな課題を克服することも期待されています。
その他にも、アイングループでは全国の店舗で、宅配ロッカーや小型ロボットを利用した医療用医薬品の新しい配送スキーム作りにチャレンジしています。

■今後の課題は?

まだまだ認知度が低いことが課題と考えています。
アイングループでは、患者さまへの啓発やアプリを使った情報発信に注力をしています。
一方で、オンライン服薬指導をご利用いただいている方の約1割がかかりつけの患者さまであることがわかっています。
日々のコミュニケーションを丁寧に行うことで、“実は薬局に行くのが大変…”、“実はお薬を待っているのが辛い…”といった声に気づき、オンライン服薬指導をご提案することができれば、より患者さまのニーズに応えることができるでしょう。
オンライン服薬指導を継続するだけでなく、必要に応じて服薬フォローアップを実施したり、定期的に薬局にお越しいただいたりすることもご提案します。
未来の医療のカタチを見越した上で、しっかりと患者さまとの信頼関係を構築し、真の意味で患者さまの一生を背負っていかなければいけません。

■これから就職先を決める学生の皆さんへ、アドバイスをお願いします!

今、オンライン服薬指導のニーズは高まっていますが、アイングループとしてはオンラインだけで進めるつもりはありません。患者さまの状況やニーズにあわせて、対面もオンラインもどちらもしっかり対応できる存在であるべきだと考えています。
皆さんはなぜ、薬剤師を目指そうと考えましたか?
おそらく、 “少しでも患者さまに健康になってほしい” 、“患者さまに笑顔になってほしい”という気持ちがあったからだと思います。
アイングループには、皆さんが薬剤師の道を選んだ時の想いをまっすぐに育て、そして薬剤師としてしっかり成長していける環境があります。
ぜひいっしょに、新しい医療のカタチを創っていきましょう!

まとめ

アイン薬局は全店でオンライン服薬指導に対応できる環境を整えています。
オンライン診療はもちろん、電⼦処⽅箋やリフィル処⽅箋との相性もよく、あわせて活⽤すればいっそうスムーズに薬を届けることができます。
ただ、多くのメリットが期待できる一方で、注意しておきたい課題があるのも事実。
調剤薬局が果たすべき役割や薬剤師に求められるスキルは激動の時代を迎えていますから、その変化に対応することの大切さをいっしょに考えていけたら嬉しいです。

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