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【経営企画室に聞く】これからの調剤薬局ってどうなるの?

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経営企画室 次長 金 順伊(キム スニ)
東京理科大学卒 2009年入社

「調剤薬局の未来」に関する7つの質問について、経営企画室の金 順伊さんにインタビューしました。ネットには載っていないリアルな情報や最新の情報も含めて、本音で答えてもらいます。

■Q1. 調剤薬局は、今どのような状況にあるの?

A. 対物業務から対人業務へと、調剤薬局に求められる役割が大きく変化しています。

これまで薬剤師は、薬の管理など対物業務を中心に担ってきましたが、今は対人業務が主な業務となっています。なぜ、対物から対人へとシフトしたのか。その理由に大きく関わっているのが、2015年10月に厚生労働省から出された「患者のための薬局ビジョン」です。医療費で国の財政が圧迫されていることや、全ての団塊世代が2025年以降に後期高齢者になることを受け、患者さま一人ひとりの治療に合わせた対応ができるよう、調剤薬局がかかりつけ薬局としての機能をより一層果たす必要が出てきたのです。

そこで新たに設けられたのが、「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」の認定制度。単に薬をお渡しする場所としてではなく、地域の医療機関との連携や高度な薬物治療の支援など、患者さまの治療を長期的にサポートするための仕組みが整備され始めたのです。こうした背景のもと、薬局に求められる役割が対物業務から対人業務へとシフトし、カウンセリングやリスクマネジメント、患者さまの副作用モニタリングや在宅医療、他の医療機関との病薬連携、薬薬連携などを手がけることが増えてきています。

■Q2. コロナ禍で、薬局業界に変化はあった?

A. 患者さまが自宅にいながらも薬物治療を受けられるための、新たな対応が求められるようになりました。

コロナ禍真っ只中の2020年4月、厚生労働省から特例処置として出された「0410対応」に続き、9月には薬機法が改正されたことで、オンライン服薬指導の要件が緩和されました。こうした国からの後押しのもと、オンライン服薬指導や処方せん医薬品のロッカー受け取りなど、患者さまが自宅にいながらも薬物治療が受けられるようになったのです。患者さまのニーズが多様化してきているため、こうした薬局の対応は今後も加速的に変化していくと考えられます。そんな中でポイントとなるのが、顔が見えずとも、患者さまにいかに安心していただけるかということ。店舗での対応と変わらないぬくもりを届ける方法を、これからの薬局業界は模索していく必要があると思います。

■Q3. 薬剤師が過多になってきているって本当?

A. はい。その中で生き残っていくためには、専門性を身につけることが大切です。

過多にならないと言いたいところですが、実際、薬剤師数は年々増加しており、2016年には30万人ほどだったのが、現在では32万人ほどに増えてきているのが現実です。長期的に見ると供給が需要を上回ってしまい、入社先を探すことが厳しくなる可能性もあります。しかしそれは、これまでと変わらない業務を続けていくだけの場合。過多になろうと、求められる薬剤師として活躍し続けるには、専門性を身につけることが重要です。他の薬剤師と差別化できる専門性を身につけ、在宅医療や地域連携、高度薬学管理などの領域で力を発揮する。そのためには自力で学ぶことも大切ですが、専門性を身につけられる環境に身を置くことをオススメします。自己研鑽をサポートしてくれる教育や研修制度が充実しているほか、病院研修などの取り組みが活発な職場で働くことで、安心して専門性を磨いていくことができるはずです。

■Q4. 今後、薬剤師はAIに代替されてしまうの?

A. その心配はありません。薬剤師にしか担えない役割があるからです。

調剤業務や在庫管理など、たしかに一部をAIに任せた方が効率的な業務もあります。しかし、だからといって薬剤師のすべての業務がAIに代替可能なわけではありません。患者さまにモチベーション高く薬物治療に取り組んでいただくためのサポートや、不安の払拭など、人にしかできない業務もたくさんあります。特に、他職種との連携はその代表例。例えば、「医師にはなかなか言いづらいんだけど、薬剤師になら話してみようかな」と薬物治療の不安や生活面の懸念などを打ち明けてくださる患者さまも多くいらっしゃいます。そうした本音を引き出して医師と情報連携することで、最適な治療につなげることができるのです。医師のほかにも、在宅医療における介護士や他の薬局薬剤師と連携し、地域医療のハブとなれるのが、薬剤師ならではの役割です。

■Q5. 未来の薬局薬剤師として必要なことは?

A. 専門性という一言に尽きます。薬の専門性はもちろん、マネジメント力の専門性、コミュニケーション力の専門性など、これまで以上に高いレベルで各スキルを磨く必要があります。

これまで話してきたとおり、対物業務から対人業務へと業務内容がシフトし、地域医療の担い手として業務の幅自体も広がり続けていくため、薬剤師一人ひとりが高い専門性を磨いていくことが求められます。ただ、その専門性とはいわゆる薬学的な専門性にとどまりません。それはあくまで大前提で、他職種や患者さまに受け入れてもらえるようなコミュニケーション力や、医師や看護師、ケアマネジャーやヘルパーなど、さまざまな職種の連携を進めるマネジメント力の専門性も磨いていくことが大切です。

■Q6. 未来の薬剤師を育てるため、アインはどんな取り組みをしているの?

A. 膨大なデータやネットワークをもとに時代を先読みし、次の時代にも対応できる万全の教育体制を整えています。

次の時代に活躍できる薬剤師を育てるため、充実した教育体制を整備しています。経営企画室としても、一人の社員としても胸を張って言いたいのが、アインの教育は時代の一歩先をいくものだということ。全国に展開するアインだからこその膨大なデータやネットワークを活用して社会の変化を予測し、他社が着手する前に新たな取り組みを進めてきました。その結果が、専門性を育むための資格取得サポートや病院研修制度、他職種との合同カンファレンス開催、DX推進による薬剤師の対人業務への移行などに表れています。国が新たな施策を発表してから慌てて対応するのではなく、先周りして対応できる環境を整えておく。そのスピード感があるからこそ、注力すべき業務に集中することができるのです。

■Q7. 調剤薬局の未来に不安を感じている学生へのメッセージをください

A. これからの薬局薬剤師こそ、思う存分職能を発揮できる仕事になるはずです。社会に出る前だから不安かもしれませんが、きっと、やりがいを感じながら活躍できると思います。

薬剤師に求められる役割が変化してきているため、対人業務や他職種連携などを通じて、薬剤師にしか担えない業務に集中できるのが、今後薬剤師として働く醍醐味となっていくと思います。また、地域医療においても重要なポジションを担うことができるため、これまで以上に大きなやりがいを感じながら働くことができるはずです。不安どころか、むしろこれまで以上に薬剤師の仕事はワクワクできるものになっていくのではないでしょうか。薬剤師を目指して、これまで努力してきた皆さんなら大丈夫。不安を解消できるように私たちも全力でサポートし、優秀な薬剤師として成長できるよう応援していきます。

まとめ

調剤薬局の現状と未来について経営企画室に答えてもらいましたが、いかがだったでしょうか。
調剤薬局が果たすべき役割や薬剤師に求められるスキルが変わってきていること、そしてその変化に対応することの大切さに気づいていただけたら嬉しいです。

もし、調剤薬局の未来について他に気になることがあれば、採用担当に質問してみてください!皆さんの就職活動を少しでもサポートできればと思います。

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